短編・御礼

□厄介な恋人
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付き合い始めてから約1ヶ月。
その間いろいろとあったが、結果としてわかった事がある。

彼女は恋愛経験が少なく、その上にとても鈍い。
この事が俺をこんなに苦しめることになろうとは思ってもみなかった。



+++



「笠原ちゃん、一緒にランチ行こうよ!」

「あー、いや、遠慮しとくわ」

「え、なんで?」

「仕事がまだ終わってないから」

「じゃあパッと行ってパッと帰「笠原」…え」

「堂上教官!」

「え、ちょ、待っ、…ええぇ」



まだ俺と笠原が付き合っていることを知っているのは特殊部隊と俺の同期くらいのもの。
なので、度々さっきのように彼女が誘われているのを目撃する。
そのたびに彼女は仕事を言い訳にして逃げる。

…俺としては「彼氏がいるから」と言ってほしいが、彼女は自分から言うのは恥ずかしいと言っていた。
それなら。



+++



「郁」

「はい?」

「やる」



そう言って彼女に差し出したものは、



「指輪…?」

「あぁ、お守りだ。いつもはめとけ」



〔厄介な恋人〕



(変な男どもから守ってくれるはずだ)(…?)((ここまで言っても気付かないのか))

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