短編@
□夢が詰まった闇鍋パーティ
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「食べれることは食べれる」
「…じゃあ俺も食べてみようかな」
小牧が口に運ぶ。
「どうだ?」
「……うん、食べれなくもない、かな」
その返事を聞き、他の奴等も食べ始めた。
「「…」」
「確か郁、お前が豆乳入れたんだよな?」
「はい。…キムチを入れたのは?」
「あ、それ私。あと…なんかポン酢みたいな味がするけど」
「あーそれは俺だよ。だしを持ってくる人がいないと思って」
「…なんか、何とも言えない味ですよね」
手塚が呟くと「それより、」と言う。
「…野菜誰か入れたの?さっきから肉しか無いんだけど」
それに答える人はいなかった。
「まさか…野菜持ってきた人いないの!?」
「だって!鍋と言えば肉じゃない!!」
「でも普通は野菜とか重い物はアンタが用意するでしょ!」
「うー…」
唸り始めた郁を見て笑う。
「…まぁでもいいんじゃない?これだけあったら柴崎さんも力つくでしょ」
「それところとは話が違います」
その言葉にさらにうなだれる郁。
真っ暗で見えないがきっと落ち込んでるのだろう。
「…!」
「どうしたの?笠原さん」
「何でも、ありません」
真っ暗で何も見えないのを良いことに、郁の手を握る。
郁は少し驚いてから、ギュ…と握り返してきた。
[夢が詰まった闇鍋パーティー]
(闇鍋パーティー、案外良いかもな)(篤さん…!?)(そこの2人は何をしてるのかな?)((!!))
御題元・空をとぶ5つの方法