短編@

□ウソみたいなホントの恋
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「堂上と笠原さんってドラマチックな出会いだったよね」



いつものように俺の部屋で小牧・手塚とビールを飲んでいたとき、小牧が唐突に言った。



「ゲホッ…急になんだ?」

「だってさ、笠原さんが高校生のときに一目惚れだろ。んで5年後に再会して同じ班で色々とこなしていくうちに…」

「小牧!…それを言うならお前んところもだろうが」

「そうかな?」

「10歳も年の差があるんだぞ。十分そうだろうが」

「俺は堂上の方が運命的な出会いだと思うけど」

「…お前、本当にどうしたんだ?」

「いや、休憩のときに近くの隊員たちが恋愛について熱く語ってたからちょっと考えてみただけ」



さっきから手塚が何も喋っていないので見ると、案の定フリーズしていた。



「おい、…おい手塚。戻ってこい」

「…あ、はい」

「ったく、小牧が変な話題を持ち出してくるから」

「ごめんね手塚」

「いえ、そんな…」

「で、手塚は何かないの?」

「…はい?」

「いやーやっぱ気になるんだよね、部下の事は」



そう言ってにっこりと笑う小牧はとても黒かった。



「…お、俺は」

「小牧、お前今日はもう帰れ。手塚が困ってる」

「冗談だよ冗談。さて、明日は訓練だしもう帰ろうかな」

「あ、じゃあ俺も帰らせてもらいます」

「あぁ。じゃあ明日な」



小牧と手塚が俺の部屋を出ていったあと、自分の恋について考えてみた。

小牧の言う通り、自分でも運命的な出会いだったと思う。
そう、まるで嘘みたいな。



〔ウソみたいなホントの恋〕



御題元・Silence
 

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