短編A

□ゆずれない想い
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「だいたいお前は何も分かってないんだ。堂上二正がどれだけ優秀な実績を積んできたか…。ただ厳しいだけじゃないんだぞ」



手塚のその言葉に、思わず言い返す。

何だそれ。
教官を尊敬する気持ちなら、私も負けないんだから!
教官は、あんただけの物じゃない!!



「…厳しいだけじゃない、なんてねえ!あたしだってよ――く知ってんだから。あんたなんかよりずっと、ね!!」

「『ずっと』…?お前はフォローされてばかりだろ。知った風な口きくな」



ん?
これは喧嘩売ったよね売ったなよし買った!

以前もこんな風に思ったことがあるが、そのことに関しては思い出さなかったことにしよう。



「フォローされることで見えてくる表情もあんのよ!!」



そう。
フォローされるからこそ知ることが出来た、たくさんの表情。
それはきっと、手塚は知らない表情だから。



「開き直りやがって!…なら、お前堂上二正と朝まで飲み明かしたことあるか!?しかも、二正の自室で、だ!」



そっちに話をもっていくのはズルいだろ!



「寮生活レベルで自慢すんな!同じ土俵に降りてこーい!!」



そしてここから、場所が図書館近くの喫茶店だということさえ忘れて、私と手塚は延々と教官の魅力について口論を交わすのだった。



〔ゆずれない想い〕



(堂上知ってる?俺ら堂上班は別名堂上ファンクラブって呼ばれてるんだって)(…はァ!?)

御題元・Silence
 

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