短編A
□憂鬱なMonday
1ページ/1ページ
月曜日は嫌い。
これからまた長い1週間が始まるから。
嫌いな教授の講義が二時間もあるし。
ガチャリ、と扉を開けて、私のテンションは底まで落ちた。
「(雨、か―――…)」
そこまで強くはないけれど、長時間降りそうだな。
雨の日は荷物が濡れるし、髪は広がるし。
「(嫌だな…大学)」
そんなことを思いつつも傘をさす。
流石に『気分的に無理だから休みたい』とは言えない。
諦めて家を出て駅に向かった。
「…毬江ちゃん」
とても心地よくて、真っ直ぐに私に向かってくる声に呼ばれた。
…けど、そんなはずはない。
だって、あの人ならとっくに仕事に―――
「毬江ちゃん」
さっきよりはっきりと名前を呼ばれる。
振り向くとそこには、あぁ、やっぱり。
「小牧さん!」
「たまたま見つけて、さ」
そう言って小牧さんは私の頭をポンポンと撫でた。
「…いってらっしゃい」
「いってきます!」
〔憂鬱なMonday〕
((貴方に会えただけで、嫌なこと全部とんでいく))
御題元・Silence