短編A
□夢現に見た君の顔
1ページ/1ページ
うーん、眠い。
でもここで寝たらまずいよなー。
せめてソファーで…あ、無理。
もう体が動かないわ。
駄目だ、頭も働かない。
あ、篤さん。
何か喋ってるけど聞き取れないや、ごめんね。
ふふ。
困った顔、かわいいな。
こんな顔、私しか見れないと思うと嬉しい。
篤さんを独り占め出来る感じ。
んーもう少し見ていたかったけど、もう瞼が重くて目を開けてられないや。
おやすみ、篤さん。
+++
「…何だったんだ」
風呂から上がると、郁が寝落ちする寸前だった。
一応声をかけたが、返ってきたのは破壊力抜群の言葉たち。
しかも、俺が固まっている間に本人は完全に夢の中。
最早怒る気にもなれない。
…幸せそうな顔して寝やがって。
〔夢現に見た君の顔〕
(…おやすみ)
御題元・Silence