短編A

□ヴァンパイアと魔女
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おかしい。
絶対におかしい。
なんで、



「仕事で仮装しなきゃならんのですか!」



勢いで机を叩くが、玄田隊長は不敵な笑みをこぼしつつ言った。



「そうカッカするな。…似合ってるぞ、その仮装」

「玄田隊長――ッ!」



全くとりあってくれない。
周りを見渡して助けを求めるが、先輩方はニヤニヤ笑いながらこちらを見るばかり。

何より気になるのは、



「笠原ァ、写真を撮るな――!」

「だって…!堂上教官めちゃくちゃ似合ってますもん!」



そういう郁は魔女。
あれ程露出は少なくしろと言っていたのに結局ミニスカート。
柴崎曰く「マントで後ろは隠れてるからいいですよね?」
…良いわけないだろうが。



「笠原さんの言う通り。似合ってるよ…ククッ」

「笑うなッ!」



上戸に陥った小牧は狼男。
そして先程から黙っている手塚はミイラ男らしいが、全身を包帯でぐるぐるまきにされ最早誰かわからない。



「一番可哀相なのは手塚だろうな」

「わかってるならなんでミイラ男にしたんですか!他にフランケンシュタインとかあったでしょう!」



文句を言う気力さえ残ってなさそうな手塚を横目で見ながら隊長にかみつく。



「おい、もう時間だ。行ってこい!」



そう言われて勢いよく背中を押された。
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