REBORN!*
□一途に
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私は、いつも思ってた。
武はどうして、好きと言ってくれないんだろうと。
別にもう愛想つかされたわけではないと思う。
いつもあの笑顔で面白いことを話してくれたり、あの暖かな大きな手で頭を撫でたりしてくれる。キスもしてくれる。
でも言葉も、欲しい。
『……はぁ…』
自分ってこんなに我が儘だっけ。
自分にため息をついてしまう。
そんなとき、部屋の扉が開いた。
振り返って見てみればそこにいたのは武だった。
「ただいま、どうしたんだ?なんか暗い顔してるぜ」
『お、おかえり…別になんもないよ』
私達は同棲してる。結婚はまだだけど婚約はしてる。
中学からの長い付き合いでも変わらず私は彼が大好きだ。
でも、武は…?
『…ねぇ…た、武?』
「ん?」
『た、けしは…私の…こと…好き、なの…?』
「え?」
あー…言ってしまった。
私ってほんとダメダメ…。
これじゃ愛想つかされて当然だ。
しかも武、腕を組んで少し唸って考えてるし…。
「好きじゃないのな」
『……、』
「だってそれじゃあ軽すぎるだろ?」
『へ?』
思わず間抜けな声を出してしまった。
軽すぎるってどういうこと?
未だに拍子抜けな顔をしてる私に武が近づきしゃがみ、私の頬に手を添えた。
「俺は、好きって言葉じゃ足りないくらい…お前を愛してる」
『…た、たけ、し…』
「一生一途に愛してやるから覚悟してろよ」
『は、はい…!』
今の武の言葉と、真剣な顔は一生忘れることはないだろう。
一途に
(愛してるなんて易々と口にはできない)