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□温泉にて
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「はぁさっぱりした!この後マッサージチェアしていこうぜ、クラウド」
「あんた、見た目のわりに爺クサいな。言うことが」
「ほっとけ!あのな、筋肉を酷使した後は入念なマッサージが…って聞いてる!?」
 はいはいとスーパースルースキルを発動させたクラウドは、ふと脱衣場の片隅にあるカラフルな木の板に目を留めた。
「…なにこれ」
 しゃがんで観察してみると、足の絵が描いてあり、高低様々な突起が所々についていた。
「ああそれ。足の裏にあるツボを刺激して健康になるらしい…確か」
「この上に立つのか?」
 かなり痛そうだな、と漏らせば隣に立つ威丈夫はからりと笑いながらそんなに痛くないと言った。
 片足ずつ乗せて立つ。
「…ちょっと痛い」
 降りて痛みがあった所を色分けされてるゾーンで見ると、『腎臓』とある。
「クラウド、お前酒飲み過ぎだぜ絶対」
「………」
 思い当たる節がありすぎて、反論できなかった。
「ザックスもやってみろ」
 自分だけが弱点をさらけ出したのが悔しくて、ザックスにも何かあるはずだと指差して誘導した。
 自分には悪いところなんて一つもないと豪語していたザックスは、乗った瞬間「いたたたたッ」と叫んで飛び降りた。
 痛い痛いとヒィヒィ言いながら脱衣場の腰掛けに座って足裏をさするザックスに、クラウドは「それ見たことか」と鼻で笑った。
「どこが痛かったんだ?」
「えーっと、踵ん所」
 しゃがんでその箇所のツボが指す文字を見る。

「…やっぱり!」
「え?どこ悪いんだ?頭とか言うなよ」
「生殖器だ!あんたの性欲の強さは前からおかしいと思ってたんだ」
「な、いきなり。ていうかクラウド、」
「一度医者に診てもらった方がいい。勃起異常か何か…」
「クラウドさん、言いたいことはよーく分かったから」

 ここ、公衆の施設だってこと忘れてないか?

 やや赤面交じりに言ったザックスの言葉にハッと我に返れば、周りのお父さんおじさんたちの視線が痛い。

「若いっていいもんじゃのぅ」
 年寄りが「儂も昔はやんちゃしたもんじゃ」と武勇伝を語り始める中、首まで真っ赤にしながらクラウドはザックスの手を引いてその場を後にした。






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