5万HIT感謝企画

□こ
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 街頭警らの帰り道、ソルジャー仲間と連れ立って歩くザックスを見かけた。

 ザックスといえば、最近知り合った友人であり、クラウドにとっては初めてもっとよく知りたい、近付きたいと思った人物である。


「――これからどうする?」

「しんどいミッションのあとは、蜜蜂で癒されてぇなぁ」

「だよなー。おいザックス、お前顔だけはいいんだから俺のハンナちゃん取るなよ?」

「あー…オレ、パス」


 立ち止まり頭を掻くザックスに全員が「はぁ!?」と驚きをあらわにした。


「なんか拾い食いしたか」

「インポは治せるアレだから、病院行くか?」

「お前本当にザックスか?」


 しまいには不審なものを見る目付きで言われ、ザックスはぶすくれながら答えた。


「今日は気分が乗らねぇの!女の子にちやほやされるよりも…」


 そこで不意に言葉を途切ったザックスが、後ろを振り返った。


「あ…」


 ばっちり、目が合った。

 そのザックスの顔が、疲労を濃く残していたから、クラウドは今回の任務は相当大変だったのだろうと息を飲んだ。

 二人の距離は10メートルも離れていなかったが、クラウドにはこの距離が、とてつもなく遠く感じた。

 他のソルジャーたちの手前、フランクに話すこともできず、かといって何も言わずに立ち去るのも気まずい。

 結局は軽く頭を下げ、もごもごとお疲れ様です、と小さな声で言ってそのまま回れ右をして。

 クラウドの背中に、ザックスの「じゃあな、」という言葉が届いたが、うまく返事出来そうになくて、聞こえなかったふりで足早に歩を進めた。


「クラウド!」


 まさかすぐ後ろに来てると思わずに飛び上がったクラウドは手首に感じた熱に目を落とした。

 しっかりと掴んで離れる気配のないザックスの手。

 何故呼び止められたのか分からなくて、だけどそれを聞くのも躊躇われて。どうにも身動きできないクラウドを掬い上げたのは、ザックスの言葉だった。


「クラウド、どこ行くの」

「どこ、って」

「今日はもうオフだろ?うちに来ないか?」

「でも…ザックス疲れてるんじゃないのか?俺いない方が」

「クラウドと居る方が癒されるの。いいから、こっち来いって」


 返事を聞くよりもさっさと歩きだしたザックスに引っ張られるかたちで、クラウドも仕方なく付いていく。

 本当は、強引に誘ってくれたのが少し嬉しかったりもして。わざと遅めのペースで足を踏み出しながら上げた戸惑いの声に僅かに含まれた喜びを、ザックスは勘付いているだろうか。






 そんな二人を見送ったソルジャーたちはというと。


「あれ…ホントに『まだ』デキてねぇの?」


と半分白け顔で苦笑を交わしあっていた。








こ 『こっち来いって』


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