†Holy Ghost(ホーリーゴースト)†
□1 覚醒の瞬間(とき)
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「じぁあ、行ってきます、父さん」
「はい、気を付けて行くんですよ?シング」
昇ったばかりの朝日の光が開け放った窓から入り二人を包み込んだ。
少年、シング・オーバッハの金色の髪は日の光を受け、更に輝いた。青くを基調とさた服に腹までの長さのベスト、そして長いズボンに革のブーツを履いている。
シングは幼い頃に町の外の森で倒れていたところをエイダに拾われ、以来七年間彼に育てられてきたのである。エイダはこのフィレスタ国を支えている大水晶、紅大水晶(ローズ・クォーツ)の研究をしている研究者であった。 そのためあちこちに研究で使うであろう資料が置かれている。
「父さんも研究…頑張ってね!!」
「……ありがとう」
エイダの優しさに満ちた微笑みに送られ、シングは家を出た。
約束した噴水広場に向かう途中、彼はふと足を止めて後ろを振り返った。