†ているず おぶ じ あびす 〜2人の約束〜†

□国を背負う者
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「約束しますわ。必ずこのナタリアが大人になった時キムラスカを今よりきっと住みやすい国にしてみせます」
金色の髪にエメラルドの瞳をした少女、ナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディアはまっすぐな瞳で目の前にいる少年、ルーク・フォン・ファブレに言った。彼女の瞳は希望に満ち溢れ不安などみじんも感じさせなかった。ナタリアはキムラスカの国の王女でありルークの婚約者であった。彼女はルークに優しく微笑み
「わたくし、あなたとなら国を守っていけると思いますの。婚約者としてともに頑張りましょうね、ルーク」
と言った。しかしルークは表情ひとつ変えずにそっとナタリアから目をそむけた。
(何もわかっていない…。国のことも…民のことも…)
「ルーク……?」
「ナタリア、お前はこの城から出たことがあるか?」
「えっ…。それは…」 「国も民も守るためには国と民の事を知らなければならない」
「そ…そんなことはわかっていますわ!わたくしだって何も知らないわけではありません!」
ルークの冷静な瞳にナタリアは思わずたじろいだ。
「俺とお前にはじきにこの国を守る義務が生じる。そのためには自らその地へ行き、自分の目で見なければならない」
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