†ているず おぶ じ あびす 〜2人の約束〜†

□疑惑
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「く……っ」
ナタリアはすっと立ち上がると小走りに大きな鏡の前に立った。そして自分でも無意識のうちに髪の毛に手をやっていた。金色の髪……。
「……わたくしは…」
髪の色に違和感が無かったわけでは無かった。だから彼女は国王にきいた事があった。
なぜ自分はお父様のように赤い髪の色をしていないのかーと。
国王はそれに祖母の名を出してきた。祖母は金色の髪をしていたからナタリアもそれを受けついだのだろうと。
ナタリアはそれを信じていた。
しかしメイド達の噂に少女の繊細な心はゆらいでしまった。
涙をこらえながら彼女は鏡をまっすぐにみた。
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