完結作品

□俺と門番
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もうすぐ、俺は某私立の男子校へと転入する。
別に俺の希望ではない。
ただ、姉貴が「どうせ転校するなら男子校に行っちゃえよ!」とかぬかしやがったからだ。
両親が姉貴を連れてアメリカなんかに行くのが運のツキ。
一人残された俺は、こうして男子校へと転校が決まった。


******


「噂には聞いていたが……デカイな」

俺は校門の前に立っているはずだよな?
何故校門がこんなにデカイ?
横幅は軽く五十メートル、高さはその倍以上。
……どんな巨人が通ってるんだよ(※この子は天然です)
とりあえず、そこの怪しげな門番にでも話を聞くか……。
つか真っ黒のフードを被った門番なんかがいる時点で普通じゃないな。

「あの、すみません」
「…………」

え、無視?

「すーみーまーせーん!」
「……ああ、こちらこそすみません。見惚れてたもんで」
「は?」

訳の解らんことを言う門番だ。
見惚れてた?
一体何に?

「貴方は転入生ですね〜」
「あ、はい」
「話は聞いてますよ〜。ど〜ぞこちらへ」

そう言うと門番は小さな門を示す。
え、こんだけデカイ門があんのに、そっちから入るわけ?
って、俺、さっきから疑問ばっかじゃん。

「この門は実用性がゼロでしてね〜。全く、管理するこっちの身にもなってほしいもんですよ」

そう言いながら、管理人はこれまた大きな道路へと案内する。
え、これも学校の一部かよ。
無駄遣いの学校め……!
俺のような一般市民の敵だな。

「この道を真っ直ぐ十分ほど進めば、理事長室がある第一棟に着きますからね〜」
「じゅ、十分!?」
「大丈夫ですよ〜。次にこの道を通るのは夏休みぐらいですからね〜。今日行けば暫くは用無しです」

全寮制らしいこの学校は、あまり生徒の外出を許可しないようだ。
閉鎖的な学校……怪しすぎる。
第一、何故校舎に向かうのに校内を十分も歩かないといけないんだ。
くそ、姉貴のせいだー!!

「ああ、気を付けてくださいね。貴方、絶対狙われますよ」
「……何に?」
「クスッ、それは行けば解ります。ではお気を付けて〜」

最後までよく解らない門番に見送られて、俺は渋々校舎へと向かった。
これから、俺のなんともまぁ破天荒な学校生活が始まる――




to be continued...


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