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□any time
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窓から見える外はまだ黒い闇を落としている。

いつもなら完全に寝てしまっている時間なのに、お昼寝をしたせいでまったく眠くなる気配がない。

寝なければ明日が辛くなることは分かっているのに

しかし1時間以上布団の中で寝返りを打ち続ければ諦めもついた。
今日は朝まで起きていようそう思って窓際に椅子を引っ張ってきて座った
この星空にある星を数えていけば朝になるだろう
途方もない話だけどそれ位私は暇を持て余していた

星を数え始めて120位だろうか。
部屋の扉が控えめにコンコンとゆっくり叩かれた後、気持ちの良いテノールボイスが聞こえてきた
「…夜遅くにごめん、起きてる?」

ミルサートだ!扉を開けたい衝動にかられたが、きっとミルサートは多分私が寝ていても入って来るだろう、という確信があったので私は急いで布団に潜り込むタヌキ寝入りを決め込んだ
予想通り、ミルサートは部屋に入ってきた。
「やっぱり寝てるか…。こんな時間だしな」

ミルサートは小さく呟きながら布団の近くまで寄って来ていた。

思わずふふふと笑いそうになってしまう

どうやらミルサートは布団の近くに腰を降ろしたようだ
彼の香りがした

ちゅっ
と、柔らかいものが唇に触れてかわいらしいリップノイズがなった

わたしは思わず目を見開いた
するとイタズラな笑顔をしたミルサートと目があった

どうやらタヌキ寝入りは最初からばれていた様だ

相変わらずに目を見開く私に彼は言った


「作戦成功。だね」


あまりにも綺麗に不敵に笑うミルサートに私はぎゅっと抱き着いた


ミルサートも優しく手を背中へまわしてくれた



「ミルサート」
「んー…?」


返ってきた返事を聞いて思わずわらってしまった。

おもいのほか眠かったのだろう

私はミルサートの胸に顔を埋めた

朝になったらまた会おうぬ

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