BOOK

□零度の蕾
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日常は毎日同じことの繰り返しだ。

ただ平凡に何事も起きることなく過ぎ去っていくものだ。




一般の女子高生の日常と言えば
学校へ行き、勉強をして、もちろん友達と喋り、恋をして…。

そんなものだと思う。




だけどそれが何になる。




私は違う。

友達なんて気まぐれで、すぐに裏切るようなものはいらない。

恋だって時間の無駄だ。必要なんてない。

友情や恋愛に現を抜かすのは暇つぶしにもならない。




ガラッ




いつものようにドアを開く。

途端に止む、笑い声。






「逢坂が来たっ!」

「今日も相変わらず何か怖ぇ〜」

「近寄りがたいっていうか…」

「なんか見下されてる感があるよね。」





そんなひそひそと声を潜めるクラスメイトの話を聞きながら
何も動じず席に座った。





逢坂蕾。16歳。

高校入学と同時に、私はある決意をした。

そして数か月後、私は周囲から冷血な女だと認識された。




休み時間やお昼は勿論一人。

部活動も所属しない。

誘いや告白はすべて断る。




そんな日常を送り、いつの間にか孤立していった私。




でもこれは計算通り。

こうなることを予想していた。

…いや、わざと私は孤立した。




中学時代の悪夢から解放されるために。





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