BOOK
□rainy
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『…なんでお前待ってなきゃならねぇんだよ。』
職員室に行く前の私に告げられたこの一言。
ひどい。
こんなのってひどすぎる。
今日は…、付き合って1ヶ月の日でしょ…?
もしかしたら覚えてるのは私だけなのかもしれない。
1か月前のあの告白も、今までの事も
樹は覚えてないのかもしれない。
最悪の場合…好きなのも、私…だけ…、
「馬鹿、みたい…」
なんだか切なくなってきた。
空はさらに暗くなっていた。
どんより雲はさらにどんよりしていて
雨はとどめなく降っている。
こんな気持ちなら、濡れて帰るのも悪くない。
いっそ、こんな気持ち雨と一緒に流れてしまえばいいのに…
漠然とした想いを抱えたまま、
私は下を向いて静まり返った廊下を歩いていく。
あれ、廊下ってこんなに長かったっけ。
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