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□毒姫と変態王子
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「悠斗くん、あそぼー」
「えー、こっちであそぼーよぉー」
まだ幼稚園児だった頃の俺は
毎日のようにこうやって女の子達に囲まれてたっけ。
それ自体は凄く嬉しかった。
まだ純粋だったし、子供だったら構ってくれるのは嬉しいだろ?
でも、それ以上に…
「…!?」
「えっ、悠斗くん?」
「さ、沙耶ちゃん…」
「悠斗はおれのだ!かってにさわるなっ!」
急に割り込んできて俺の服の袖をぎゅっと握りしめ
唇を噛み締めながら必死に俺を食い止めようとする女の子…
大好きな沙耶に独占されることが尋常じゃないくらい嬉しかった。
[毒姫と黒王子]
「チッ…悠斗、遅い。
もうちょと早く来れないわけ?毎回待ってる私の身にもなれっつぅの。」
今はちょっと…
いや、かなり素直じゃなくなったんだけど。
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