子育て奮闘記

□双子
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今日は定期健診の日。

もうそろそろ性別も分かる頃だし、聞いてみようかと思う。

咲も

『おとうと?いもうと?』

って うるせぇしな。

四番隊の診察室でそんな事を考えながら待っていると

「あら?今日は咲ちゃんは一緒じゃないんですか?」

卯ノ花さんが残念そうな顔をして入って来た。

「今日は恋次が非番で、見てくれるって言うから置いてきた。」

咲が居ない理由を言うと

「そうですか。なら、これは渡しておいてください。」

卯ノ花さんは、お菓子がたくさん入っているであろう紙袋を差し出した。

なんで見てもいないのに中身が分かるかと言うと

来る度にくれるからだ。

「いつも ありがとうございます。」

紙袋を受け取りながら礼を言うと

「いいんです。咲ちゃんの喜ぶ顔がみたいだけなんですから。」

にこやかに頬に手を当てて言う卯ノ花さん

だけど

この言い回しは

『咲をなんで連れて来なかったんだ』

って事だろうな…

「次は必ず連れて来るから。」

「お願いします。」

やっぱり…

俺が言い終わって、間も開けずに言いやがった。

まあ

自分の子供が、他人に待ち焦がれられるっつーのは

物凄く嬉しいし、有り難い事だよな。

「あっそうだ。今日 性別聞いていきたいんだけど。」

「分かりました。では、少しゆっくり見てみましょう。」

俺的にはどっちでもいいんだけど

咲がうるさいってのもあるし

なにより

名前を考えてやりたいしな。

ずっと 一生ついてまわるもんだし

産まれてくるこの子に、一番最初に俺達から贈るもんだし

ゆっくり じっくり考えたいから。
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