短いの

□忘れないで
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最近よく眠れない――

瀞霊廷が崩壊の危機にあって

皆から俺とルキアの記憶が消えてて…

そんで

ルキアも

俺の事を忘れてた。

俺の中には皆居るのに

皆の中には俺が居ない

孤独と絶望感でいっぱいで

俺という存在自体が否定されている

そんな思いをしたからか

夢に瀞霊廷の連中が出て来て

誰もが皆

俺を知らないって言う。

だから

あんまり寝たくねぇってのが本音。

今は皆の記憶も戻って、以前と変わらない関係でいるけど

一度忘れられたっていう思いが

胸の奧に引っかかって取れねぇ…。

特に

恋次に対しては…

あいつは思い出せないまま

自分の魂を信じて、俺の味方になってくれた。

すげぇ嬉しかった。

けど、忘れられてた…

俺の

恋次への想いも

恋次の

俺への想いも

全部 無かった事になってた。

それを思い出すと

身体中の力が抜けて、頭がぼーっとなって

すげぇ 泣きたくなる。

「情緒不安定…」

ベッドに寝転んで携帯を眺めながら、無意識に呟く俺は

「病んでんのかな…」

こんな不安定な自分を、仲間達に気付かれたくなくて

いつも通りにしていたつもりなんだけど

『てめえ、最近本気で笑ってねぇだろ。』

恋次には気づかれてた。

一番 気づかれたくない奴に気づかれた…。

だから、久々に会えたのに

逃げて来たんだ。

まあ…

本気で逃げようなんて思ってねぇから

家に帰って来て部屋で寝転んでんだけど…

きっと 誰にも分かんねぇよ

俺の気持ちなんか

俺の事を忘れてたなんて事自体

覚えてねぇんだろうから

どんなに悪かったって言われたって

別にあいつが悪い訳じゃねぇから…

分かってんだけど…

気持ちがついてかねぇ
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