子育て奮闘記

□これからの事
1ページ/5ページ

「あり得ねぇ…
ぜっってぇ…あり得ねぇ…。」

ぐるぐる回る視界は
具合が悪いせいではない。

自分の置かれた状況を整理できないからである。

「なんで俺なんだよ…つーか、こんな大事な事を本人の了解無しで…」

ぶつぶつ文句を言うも

込み上げてくる吐き気には勝てない一護。

そんな一護の背中を擦りながら

「だよな、何考えてんだよ阿近さん…。」

途方にくれた表情で言う恋次。

「とにかく…
男が妊娠なんてして
どうなるか、なんて…流石に俺も分からないからな…。」

一心も
この先どうすればいいのか、考えあぐねていた…。

その時

“ピンポ〜ン”

と、家のチャイムが鳴った。

「なんだ?患者さんか?」

立ち上がりながらそう言うと

一心は玄関へ向かった。

「あー…やっと落ち着いてきた…。」

ふらふらとした足取りだが、やっと一護がトイレから出た瞬間

「あ―――っ!!」

一心の絶叫が聞こえてきた。

「あ!?」

一護と恋次は顔を見合せると、足元の覚束ない一護を恋次が支えながら玄関へ向かった。

そして、そこに居たのは…

「はあ!?」

「噂をすれば…って
ほんとだな…。」

阿近だった…。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ