子育て奮闘記

□感謝の気持ち
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つわりが落ち着いて半年余り。

出産方法は帝王切開だから、出産日が決められるって事で

10月10日に予定を決めた。

卯ノ花さんの診断でも

「少し早いですが、赤ちゃんの大きさに問題ないですし、その日で大丈夫だと思いますよ。」

つー事だし

覚えやすいその日にした。

そして

とうとうその日がやってきた。

「麻酔打ちますね。」

花太郎がそう言って、腰にアルコールを塗った。

「痛いですけど、我慢してくださいね。」


「おう!大丈夫だ、来い!」

花太郎の忠告に
俺は、気合い十分という顔で答えた。

「じゃあ、いきますね。」

「いっ…」

思わず、“痛い”と言いそうになった自分の口を、両手で塞いだ。

「はい、終わりました。」

部分麻酔だから、意識はある。

全身麻酔にしようかと言う話もあったけど

それじゃあ産声も聞けねぇし

子供にすぐ会えねぇから嫌だと断った。

「今からが一番大変ですから、頑張ってくださいね。」

花太郎が、心底心配そうな顔をして言うから

「俺を誰だと思ってんだよ?」

そう言って笑ってやると

「そうですね。一護さんなら大丈夫ですよね。」

少しだけ、ほっとした顔をした。

「子供を取り上げてくれるのは、あの卯ノ花隊長だぜ?
例えなんかあったとしても、上手く対応してくれるだろうし、大丈夫だ。」

続けて俺がそう言うと

「ですよね。」

花太郎はやっと笑顔を見せて、外へ出て行った。

花太郎と入れ違いに、卯ノ花さんが、何人かの隊士を連れて入って来た。

「気分が悪かったりとかはないですか?」

「ないです。」

俺の返事を聞いた卯ノ花さんは、にっこり笑うと

「では、始めます。」

そう言って俺の腹に手を当てた。
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