子育て奮闘記

□今だけ
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早いもので

咲が産まれて八ヶ月。

離乳食を与えるようになって、二時間置きに起きなくてもよくなったんだけど…

「だーっ!落ちる落ちる!」

ハイハイを始めた咲は、好奇心旺盛で

あちこち這って行くもんだから

目が離せない…。

今も、玄関に突進して行って

危うくダイブする所だった。

「危ねぇだろ?怪我して跡残ったらどうすんだよ?」

抱き上げて注意をすると

「うきゃう、あ〜」

至極 ご機嫌な声を上げて笑う。

「分かってねぇ…。」

がっくりと頭を落とすと、小さな手で撫でてくれた。

「はいはい、ありがとよ。」

「あうあ〜」

にっこり笑ってそう言うと、咲も同じように笑って何か喋る。

言葉にはなってねぇけど、会話ができてるみたいで楽しい。

笑ったり泣いたりはもちろんだけど

怒ったり拗ねたりと、表情も豊かになった。

この間なんか

離乳食に初めてかぼちゃを入れてみたんだけど

食った事ない味だったからだろうな

口を開けて呆然とした表情したもんだから、恋次と二人で大笑いした。

ほんと、子供って面白いな。

「さてと、今日は何を作ろうかな…。」

咲を抱いたまま冷蔵庫を開けると

「やっべぇ…なんもねぇ…。」

見事にすっからかんだった。

「買い物行かなきゃなんねぇけど…
お前連れてたら、大量に買えねぇしな。」

「う?」

かといって

このままじゃ晩飯抜きだし

「しゃあない、行くか。」

覚悟を決めて立ち上がると

「うきゃー。」

咲は

ヨダレを垂らしながら雄叫びを上げて喜んだ。
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