子育て奮闘記

□早いもので
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早いもので

今日は咲の初めての誕生日。

今晩は

ルキアや白哉の他に、沢山の死神連中がお祝いに来てくれる事になっている。

だから俺は

朝から大忙しだ…。

非番を取ってくれた恋次に、大量の買い出しを頼んだ後

咲を歩行器に乗せて、茶の間の大掃除。

「きゃーっ。」

歩行器が大好きな咲は、歓喜の雄叫びを上げながら家中を走り回っている。

危ない所は

恋次と檜佐木さんが作ってくれた柵で塞いでるから大丈夫。

だけど…

「いってーっ。」

爆走する咲に、物凄い勢いで背中に歩行器をぶつけられた。

「さ〜きぃ〜。」

涙目で振り返ると

「う?」

どうしたの?
という顔で首を傾げた。

「楽しいのは分かるけどな、こうやってぶつかって来たらママが痛いだろ?」

「あう?」

「いたいいたい、分かるか?」

大げさなリアクションを取りながら、そう言うと

咲は、コクリと頷いた。

「よーし、いい子だ。じゃあママは忙しいから、あっちで遊んでてくれるか?」

隣の部屋を指差して言うと

また咲は、コクリと頷いて隣の部屋へ歩行器を走らせた。

「うっしゃあ、続きやるか。」

腕捲りをして、後ろを向いた途端

“ガシャ―――ン!!”

何かが落ちて割れる音がした

慌てて振り向くと

箪笥の上に置いてあった筈の花瓶が、咲の横に落ちていた。

「マジかよ!!」

急いで駆け寄って

「怪我ねぇか!?」

咲の全身をくまなく調べた。

「はあ…、かすり傷一つねぇ…。」

ほっと胸を撫で下ろすと

「あ〜…」

咲が、凄く申し訳なさそうな顔で俺を見てきた。
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