▼デュラララ BL短編
□砂糖が招いた...
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「ま・さ・お・みくんっ♪」
上機嫌に声をかけてくるのは正臣がこの世で一番嫌っている臨也である。
正臣はそんな臨也を睨みながら、『なんスか』とだけ答えた。
「あぁんっ、もう!!
冷たい正臣君っっ」
ネカマぶりの口調でくねくねする臨也。
隣にいる帝人もサァ...と顔を青ざめる。
「・・・キモイっスよ」
「んぅ〜っ
もうっ正臣君っ!!」
とりあえず帝人と正臣は臨也をスルーすることにした。
「で、何スか」
「あっ、そうそう」
臨也は正臣の手を握る。
「喫茶店に行こっ」
「嫌です」
即答の正臣。
「いやいや、今日くらいいいじゃん」
「よくないです。
第一何で俺らが・・・」
「俺らじゃないよ。
俺、だから」
はぁ?と首をかしげ、顔を見合わせる2人。
「いいから、正臣君行こっ」
「嫌です。
帝人も一緒でもいいんじゃ・・・」
「駄目なんだよ!!」
臨也は帝人を睨む。
何故睨まれたのか分からない帝人は、
「あ〜・・・えっと・・・。
また明日ね?」
と正臣を置いていった。
「あぁっ!!
帝人、俺を見捨てるな!!」
帝人は『バイバイ』と手を振り、人ごみの中に消えていった。
「・・・ね?
いいでしょ・・・」
「・・・分かりましたよ・・・」
とある喫茶店にて。
正臣の隣に座った臨也は親しそうに腕を組んでいた。
「いい加減離れてください。
誤解されるでしょ」
「いいから♪」
「・・・;;」
なんだか気味が悪い。
正臣はそう確信した。
と、頼んでいた紅茶が2人の目の前に置かれた。
「あ、砂糖ください」
正臣はマスターに頼む。
「へぇ・・・意外と甘党?」
「関係ないでしょ」
正臣は運ばれてきた砂糖をサラサラと紅茶に注いだ。
と、正臣は指に砂糖がついたことに気付く。
「あ、すいません。
拭き紙くださ・・・」
「いや、いいです」
正臣ははぁ?と思った・・・ときには遅かった。
臨也は正臣の砂糖がついた指を口にくわえたのだ。
「・・・っ!!!!????」
正臣はバッと手を引っ込めた。
臨也はニコニコ笑いながら、
「甘〜っ」
と、口の端についた砂糖を深紅の舌で舐めとる。
それを見ていた正臣は顔を死人のように青くしながら、舐められた指をタオルで拭く。
「・・・何してスかっ・・・」
本当に泣きそうな顔で正臣は臨也を睨む。
「あ、正臣君可愛い。
食べていい?」
「止めてください・・・。
本当、何なんスか・・・」
「だって〜、可愛いもん」
「死んでください」
臨也は『酷っ』と言うと、紅茶を口に含む。
正臣は何故か嫌という気持ちと、嬉しいという気持ちがでてきた。
何故だろうか・・・。
「・・・正臣君、こっち向いて」
正臣は何も考えずに振り向く。
と・・・。
臨也は正臣の唇にソレを重ねていた。
「・・・んぅうっっ!?」
「やっぱ死んでください・・・」
−完−
うん、微妙。