▼デュラララ BL連載

□第三章
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彼は笑う。

頬を染めながら。

彼は語る。

ただ、俺だけに。

彼は――誰?

彼は口を開く。

「俺はお前のこと――」



―目が覚めた。

臨也は重い体を起こす。

夢に出てきたのは・・・・。

・・・駄目だ、思い出せない。

あいつは笑った、何か言った。

「気になる・・・」

記憶の糸をたどり、あいつは誰だったか思い出す。

すると、突然の頭痛に襲われた。

「もういい・・・」

臨也は洗面所へ向かった。

向こうから誰か来る。

「・・・波江」

「何、アンタ。顔色悪いわよ」

「うん、まぁ・・・」

曖昧な笑みと答えを返し、再び歩みだす。

すると、また頭痛が襲い、危うく倒れそうになる。

「ちょっ・・・!!アンタ、ほんとに大丈夫!?」

臨也の体を支え、珍しく心配する波江。

「・・・大丈夫」

臨也はふらふらの足で洗面所へ向かった。



臨也がパソコンの前に座ると、波江は溜息をついて、

「実際に会って確かめたらいいじゃない」

コーヒーをカップにそそぎ、机の上に置く。

その動作をじっと見つめながら、臨也は考えこむ。

「今のアンタキモイし。まぁ、いつもキモイんだけど。見てるこっちが吐き気がするわ。行って来て」

「ひどいなぁ、そこまで言う必要―――」

「いってらっしゃい!!!!!」

臨也はいつの間にか外へ追い出されていた。

「困ったな」

今の波江じゃ絶対に家へ入れさせてくれない。

いっそこうなったら・・・。

臨也は池袋へと足を一歩だした。





            −続−

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