イナズマジャパン

□依存
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「佐久間…佐久間…さくま、さく、ま」

あぁ、また始まったか。
佐久間がオレらの前から姿を消してから、毎晩のように不動は佐久間の名を呼ぶ。
佐久間が大好きで大好きで、どうしようもない不動は、すっかり佐久間に依存していたのだ。
なのに、佐久間は突然いなくなった。
依存していた相手の喪失に、不動は狂い始めた。
だが今も、佐久間がどこに行ったのかはわからない。
いくら探しても見つからないんだ。

「佐久間、佐久ま…さくまっ!」

佐久間がいなくなる前から極稀に不動は狂ったようにうなされる事があったらしいが、いつも佐久間が落ち着かせていた。
だが今佐久間はいない。
だから不動を落ち着かせてやれる奴は誰1人いない。

「落ち着け不動!
 大丈夫、きっと佐久間はすぐに帰って来るから!」
「源田、佐久間は?
 佐久間は、どこにいるんだよ?」
「そ、れは…」
「どこ?
 なぁ源田、アイツをどこに連れて行った?
 なぁ、なぁ源田」

佐久間はどこだ、と不動はオレの服を掴んで、壊れたレコードみたいに繰り返す。
今すぐに佐久間に会いたくて仕方ないらしい。
音も立てずに、今にも不動は壊れてしまいそうだ。


"不動に佐久間を盗られたくなくて、お前の手の届かない所に連れて行った"


そう言えば、一体不動はどうなるかな?
このまま壊れてくれるのかな?










どうした私。
源田まで病んじゃった…。
 

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