リクエスト

□アイツの家庭事情
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今日は久々の休みで、佐久間にメールしたところ帝国も珍しく休みらしい。
じゃあ久しぶりに会おうという話になって、佐久間の家にお邪魔する事に。
甘い物好きな佐久間のためにショートケーキを買って、佐久間の住むマンションへと向かう。
え〜と、確か8階だったよな…。
集合玄関でうろ覚えの部屋番号を入力して、インターホンを押す。

ピンポーン

『はーい、あ、風丸!
 いらっしゃーい、今開けるな』

…前々から思ってたんだが、こんな高級マンションに1人暮らしって、色々大丈夫なのか?
FFIで一緒にいてわかったが、佐久間は何かと危なっかしい面がある。
"目を離すと何かに持って行かれそうで怖い"と鬼道が言っていたが、その気持ちが痛いほどよくわかる。
一言で言うと心配なんだ、ものすごく。

「こんな安いケーキでよかったかな?」

いかにも安物な白い箱を見たら何となく不安になった。
相手が金持ちだと余計な心配までしてしまう。
だって相手はあの帝国学園サッカー部の参謀様だぞ。
あの帝国学園の。
そんなオレの心配なんぞ知らんとばかりにエレベーターは8階に到着した。
部屋番号と"佐久間"の表札を探し出し、インターホンを押す。

ピンポーン

「はーい」

佐久間の声とパタパタという足音が聞こえる。
鍵を開ける音がして、マンション特有の重そうなドアが開く。
そして目に入ったのは…モヒカン?

「はいよーっと」

な ぜ お 前 が 出 て 来 る し ! ?

ふとモヒカンの目が何かを追っている事に気づく。
白い箱が落ちていくのを見ていたようだ。
…ん?
白い箱、だと…!?

「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ゔぇっ!?
 を、うおぁぁぁぁぁ!!」

平和な日曜日の静かな昼下がり。
晴天の空は、青かった。


――――――――――――――
――――――


あまりの絶叫に様子を見に来た佐久間にツッコミを入れられ、落ち着いたところで上がらせてもらった。
いやー、叫んだ叫んだ。

「全くもう、日曜日の真っ昼間に玄関先でモヒカンとポニテの男子中学生が2人で向かい合って絶叫って…。
 シュール過ぎるよ、本当に」
「ごめん」
「悪ぃ」

想像してみたがシュール過ぎる。
逆に笑えてきた。
つか何で佐久間ん家にモヒカン…基、不動がいるんだ?

「不動、お前も遊びに来てたのか?」
「いや?」
「不動はウチに居候してんだ」
「へぇ…」

え、え?
えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!??

「い、いそ、いそーろーぉぉぉぉ!!?」
「風丸落ち着け」
 
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