テイルズ小説

□傷つくのは
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コイツ、リカンツだ・・・。

近づかないでケダモノ!

こっちに来るな!!


「おい。その言い方はねーんじゃねぇの?コイツの何がケダモノだって?あ?子供にんな事言うお前らの心がケダモノなんじゃねーの?」

ユーリが俺を庇うたび、ユーリは町の人に何かと言われていた。

暴力されたり、喧嘩になることだってあった。

その度に、ユーリは傷つく。

いつもユーリの手当てをしながら、思う。

ユーリが傷つく位なら、死んだほうがマシ。って。


今日、ユーリは大喧嘩をやった。勝った。それはわかってる。ユーリが負けるわけがない。

でも、相手は6人だった。頼むから無茶はしないで欲しい。こんなに傷ついて。

「あのさ、ユーリ・・・」

傷に包帯を巻きながら言う。

「・・・オレの為にわざわざ、怪我するような事するなよな・・・?」

「・・・カイウス?」

言いながら、自分が泣いている事に気が付いた。

「お、オレ・・・さ、ユーリがオレのせいで喧嘩とかして怪我するの見んの・・・すげえイヤだ。たのむから、オレなんかの・・もう・・・っ」

「・・・あのな、カイウス。」

「え・・・?」

「俺は、こんな怪我で傷ついたなんて思ってねぇ。お前があんな奴等に傷つけられてんの見るほうがよっぽども傷つく。」

「・・・で、でもっ・・・」

「いいんだって。好きでやってんだから。お前はただ俺の傍に居てくれよ。な?」

「・・・ユーリ、・・・うん・・。」


傷つくのはいつだってユーリだ、と思っていたけど、違うかもしれない。
その事を考える度にオレ自身も傷ついてたんだ。

種類は違くても、傷は分け合えるかもしれない。

次からは、ユーリと一緒に派手に戦おうかと思ったのだった。


END

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