テイルズ小説
□離すものかと。
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お題は、お題配布サイト「確かに恋だった」様より。
ルカは、通路を全力で走っていた。
それは、数分前のユーリの一言が原因だった。
「カイウスが泣いてるぜ。行ってやれよ」
カイウスの部屋のドアを勢い良く開ける。
「カイウス!!!」
「っ・・・る、か・・・?」
何があったのかは知らないけれど、カイウスは本当に泣いていた。
「どうしたのカイウス!何があったの!?」
「っ、なんでもな、い・・・から、」
ルカはカイウスの手を握った。
「何でも無いって・・・こんなに泣いてるのに、」
「平気・・・大丈夫だからっ、!・・・ひとりに、して・・・。」
「カイウス――――」
ひとりにしてと微笑うきみの、震える手を離すものかと。
(大丈夫。僕がついてるから、
離したりしないから、
だから、泣かないで。)
end