ヒルセナ小説

□ほろ苦い
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「さみぃー」
12月に入り、寒さが厳しくなってきやがった。糞ガキどもは今もはしゃいでやがる。
「雪、降らないかなぁー」
こんな時でも俺の耳はセナの声を拾う。
「ケッケッケ、その位で喜ぶなんてガキだな」
「・・・・・・」
あえて明るく言ったのにセナの表情は暗くなった。
「ヒル魔君!!そんなこと言わなくても良いじゃない!!」
うっせぇ糞マネ!
「まもり姉ちゃん、僕先に帰るね?」
「え?あ、うん」
俺の方を1度も見ようともしやがらねぇ。
「あっ!おいセナー待てよ!一緒に帰るんだろ!?」
セナの後を追いかけて糞ザルが走り出した。
「・・・っち!!」
胸の奥に痛みが走った。
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