ヒルセナ小説

□甘い褥
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「ヒル魔さん、お風呂お先しました」
「おう」
後は寝るだけという状態に持ち込んで俺は着々と準備を始めた。
普段は鈍感なくせにこういう雰囲気になると敏感に察知して幾度となく拒まれてきた俺だが・・・今日はそんなことにはならない。
(俺の家に入った時点でお前には逃げ場なんかないんだよ)
風呂から上がってほんのり上気してピンクに染まった頬、貸してやった俺のシャツの裾から見える細い足・・・
(誘ってるようにしか見えねぇ〜よな・・・)
本人にはその気なんてまったくないだろうことは分かっている。
「セナ・・・」
「ヒル魔さん?」
首を傾げているセナの腕を引っ張って寝室に連れて行く。
「ひ、ヒル魔さん!?」
「嫌か?・・・俺に触られたくないか?」
「そ、そんなことは・・・でも・・・」
うだうだ言っているセナを押し倒して乗りかかる。
「なら、黙ってろ」
「・・・・・・」
ギュッと目を硬く閉じたセナに胸が痛む。
「何で俺を拒む?」
「だって・・・恥ずかしい・・・」
「・・・何が?」
「ぼ、僕だけ・・・欲しくなって・・・ヒル魔さんには余裕があるじゃないですか・・・」
「それだけか?」
「・・・はい」
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