お題

□僕がきみの手を5題
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「おい、そこで寝ていると風邪を引くぞ」

とんとんと軽く肩を叩かれうっすら目を開けると、立ったまま俺を覗き込む梗。

「梗は見回りか?」

「いや、別に……元がいなかったから」

その言葉に笑みが浮かびそうになる。
時たま見える、梗の人恋しいという感情
本人は無自覚だけどさ

「梗も寝ようぜ」

「は?ぅわ」

グッと手を取って引っ張ると、とさりと隣に座り込む梗。

「風邪を引くと言っただろう」

「くっつけば暖かいって」

握った手はそのままに抱きしめる。
少し香ったシャンプーと、梗の体温に心臓が高鳴る。

うわ〜、俺自滅?
そう思いながら梗を見れば、目元を赤くして俺を見てる。
あー、可愛い、俺だけが知る梗

キュッと微かに力の入った梗の手を思いっきり握り返したのは、


言葉にならなかったからで、

(愛しすぎる君に俺はもう胸がいっぱい)


「元、手………」

「これなら風邪引かないだろ?」

「…馬鹿だな」



(言葉にするには重すぎて)

(でも手を握るだけじゃ足りない)

言葉にならないほどの君への気持ち
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