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□目覚めるまで
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部室に来てみると弦一郎が寝ていた。

「……珍しいな。」


思わずそう呟いた。
ふと、自分を待っていてくれたのだろうかと考える。しかし今日は、生徒会会議があっ
て部活には参加できないと確かに言ったはずだが・・・

おそるおそると、机に突っ伏してすやすや寝息をたてている弦一郎を見る、疲れているのか起きる気配も無い。
最近は、幸村の分まで一人でしようと頑張っているから疲れているのだろうな。
と考えながら少し悲しくも寂しくなった。
何事も一人でやろうとするのは彼の悪い癖だと常々思う。
何故自分を頼らないのかと、そんなにも自分は頼りないのかと。


部室にある時計を見ると5時を少し過ぎるところだった。
今日は早めに終わったようだ。

「…あと一時間以内に起きないと襲うぞ。」

そう、弦一郎に向かって呟いて見るも起きる気配はない。
蓮二は、ため息をつきながら向かいの椅子に座り本を開いた。


「今はお前の睡眠を妨げないようにすることしか出来ないのだろうな。」




―――その後

「うぅん・・・。蓮二?」

「……あと10分ぐらい寝ていてもよかったんだぞ。」

「ん、何がだ?」

「いや何でもない。」






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