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□小ネタ
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*幸真 付き合ってませんが両思い
ある部活後、幸村と真田がふたりで帰宅していた時だった。ふたりが仲良く話しながら歩いていると、幸村が急に声を上げた。
「あっ、見て真田。あそこ。」
その声につられて幸村が指さす方へ視線を向けると、高校生ぐらいの女の子が子犬を散歩させていた。
「可愛いね、特におしりが。」
そう口元に笑みを浮かべながら幸村は言う。
それに驚いた真田は、
「幸村は・・・ああ言うのが好きなのか?」
とつい聞いてしまった。
幸村なんて事無しに視線を女の子の方に向けたまま答えた。
「うん。だって可愛くない?あのおしりをふりふりしながら歩いてるの。体が小さいとさらに可愛く見えるよね。」
「そ、そうか。」
真田はもう一度女の子の方をみて眉を寄せた。
(そうか。幸村はやっぱりああいう女子が好きなのか。まあ、普通はそうなのだろうな。俺みたいな男など・・・)
真田の纏う空気が心なしか重たくなる。それに気づいた幸村は不思議そうに問いかけた。
「真田?どうかしたのか。あっ、もしかしてお前はああいう奴は嫌いか?確かにもっと大きくて強い奴の方がお前のイメージに合ってるな。」
「まあ、確かに強い奴が好きだが・・・」
幸村の言葉でさらに落ち込んでしまいそうになる。強い奴ではなく、幸村が好きなのだと伝えたくなる。だけどそんなこと言えるはずもなく、真田はただ俯いた。
「やっぱりな。でもさ、あのしっぽがクルッてなってるのがかわいいんだよな。」
「・・・しっぽ?」
「そう、あのしっぽ。それに柴犬も良いけど俺は、豆柴が好きだな。」
「そ、そうか・・・」
真田は自分がとてつもない勘違いをしていたことに気づいて赤面した。それに気づかない幸村は、楽しそうにいかに豆柴が可愛いかを熱弁していた。
幸村の話に真田は少し笑い相づちをうつ。寒い冬の空の下ふたり並んで帰路についた。
*
こんな風にするつもりじゃなかったのに・・・
これは暁瑛の実話です。隣にいた男子にあのおしり可愛いと言って飼い主のおばちゃんのことだと勘違いされて引かれたっていうね・・・