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□説教のトメカタ
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俺は一年の時から真田副部長のことが好きだった。
でも、副部長はそれとなく言ってみても全く気付いてくれない。
柳先輩に相談してみても頑張れ、と言われるだけで
どうしようと思っていた矢先だったのでつい口に出てしまったのだ
・・・しばらくしても副部長から反応はない。
おそるおそる顔を上げて様子をうかがってみると、唖然。
あの真田副部長が真っ赤になっていた。
「あの副部長?」
声をかけると数回瞬きをしてこっちを睨んできた。
「そっそんなことで話を紛らわすな!」
といいながらも顔は赤いままだ。耳まで赤い。
・・・もしかするとこれは期待して良いのかも知れない。
俄然俺はやる気が出てきて
「そんな事って何ですか。俺にとっては重大なことっすよ!
俺は真田副部長のことが前から好きなんです。本気ですから!!」
言ってしまった。
本当はもっとかっこよく告白するはずだったのに。
でも勢いは大切だ。
それにもう後戻りはできない。
俺は副部長に一歩近づいた。
「副部長・・・、副部長はどうですか。俺のこと嫌いですか。それとも、」
そういいながらもまた一歩近づく。
副部長の方は俯いていて表情は分からない。
さらにもう一歩近づこうと思ったところで急に副部長が顔を上げた。
「俺も、お前のことが好きだ!!」
いきなりのことで俺はポカンとしてしまった。
でもしばらくして、副部長がいった言葉の意味を理解してうれしさがこみ上げてきた。
ただただうれしくて俺は真田さんに飛びついた。
*