恋、焦がれ

□第一話:死
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普段なら聞いても赤の他人だからなんとも思わない事故のニュース。
だが、今回の被害者は私の幼馴染で、しかも死んでしまったって。
そんな事実、誰も信じない。けど、事実なんだ。





第一話:死





私、水野沙知。中学2年。極普通の女の子・・・だといいんだけど。
どうも私は普通の女の子≠謔闖沂Cらしい。かなり。


「アンタねぇ!今からタバコ吸ってると将来、体壊すよ!」
「るせーな。もう依存症だっつの」
「もっと性質悪いわ!」


屋上で煙草吹かしてる奴に向かって一喝。だが、相手には効果無し。
普通は不良相手に此処まで言わないんだそうだ。
コレもコイツと幼馴染だという所以か。

浦飯幽助。
小学1年からずっと同じクラスで、いい加減クラス分かれろよとも思ってしまう。
なんやかんやで8年もコイツに付き合ってる。あ、いや、そういう意味ではなくてだ。
小学生の時からやんちゃだったけど、最近はまぁ、喧嘩するわ煙草吸うわ酒飲むわ頭リーゼントにするわで。


わし

「相変わらずちっせー胸」

ゴッ!

「余計なお世話だボケ!いっぺん死んでこい!」
「ひょひょひょ」


・・・小学生の頃からスケベだったけど、最近は拍車かかってるし。
中2から男はスケベになるとは言うけども、アイツは元よりスケベだからより一層・・・。


「幽助、アンタたまには授業に出なさいよ。螢子と先生にまたどやされるよ」
「気が向いたらな」


コッチには振り向かず、手だけひらひらと振りながら去っていく幽助。
あーこりゃ、またサボって正門あたりで竹中先生の拳骨食らうな。
ふぅと溜息吐くと、遠くの方でチャイムが鳴る音が聞こえたので、慌てて教室に戻る。






 
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