恋、焦がれ

□第九話:真
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第九話:真





「キャー!南野先輩、ご機嫌麗しゅう。わたくし〜、南野先輩に質問あるんですが〜、よろしいでしょうか〜?(ぶりぶり)」
「・・・何かわからないけど、あっちで話そうか」
「はい〜」





「はぁ・・・」
「あれ〜?南野先輩、疲れているんですか〜?」
「・・・沙知。貴女は一体何をしているんです?」
「おやま。バレバレでしたか(ポン)」
「わからない方がどうかと思うよ。わざわざうちの学校の制服まで着て・・・」


そう。私は姿形を変えて盟王高校に侵入していた。
声や話し方まで変えたのに、やっぱり蔵馬にはバレバレであった。いや、自覚してたけど。


「名付けて、・・・南野先輩ラブv作戦〜」
「今付けたでしょう。何もないんだったら俺は行くよ」
「ちょいと待った(ガシッ)」
「何」


あら、ちょっと苛ついた感じ?


「だってアンタ、家に行ってもいないしさ〜。飛影も帰って来ないしさ〜。幽助も学校来ないしさ〜」
「だからって」
「何があったんだい。もうすぐ暗黒武術大会が始まるけど・・・、それと関係あるの?」
「・・・あぁ。俺と飛影、桑原君に幽助が今大会のゲストに選ばれた」


ちょ、マジで?
闇の世界に深く関わり、裏社会の人間にとって邪魔な人間を強制的にゲストとしてエントリーされたって事か。
垂金の一件でゲストになるものなのか?


「幽助達、そこまで闇の世界に関わってないと思うんだけど」
「・・・この間、幽助達が倒した筈の戸愚呂が実は生きていたんだ」
「う、そ」


だからってそんな危険な大会に・・・。
でも、拒否すれば死が待っている。
生き残るためには勝つしかない。そんな大会だ。
・・・この事、螢子には黙ってた方がいいかもね。











「ひ〜っ」

ズンズン

「な、なんなんだい、3人ともどうしたんだい?」
「幽助が帰って来ないの。ぼたんさん、何か知ってるでしょ?」
「ねぇ、幽助どこ?」
「弟の和真もここ何日か帰って来ないのよ」


っひゃ〜。3人がよってたかってぼたんに責め込んでるわ〜。
傍らで見てるだけでも冷や汗ものね。


「沙知ちゃ〜ん、助けておくれよ」
「バッカ・・・!私に助け求めな・・・っ」
「沙知も何か知ってるの!?」
「知ってるなら、答えてちょうだい」
「・・・えーん」


私達2人は遂に折れた。


「えと、まず幽助達が関わった事から話した方がわかりやすいと思うから・・・」











やって来ちゃった首縊島。


「本当に此処のどっかに来てるのね」
「お手柔らかにね、螢子ちゃん」
「ぼたんさん甘い!前にアイツの所為で死に掛けたんですよ、二人とも。そこまで関わらせといて、黙ってまたこんな危険な事してるなんて許せます!?」
「ごもっともです、はい」
「沙知が妖怪だって事が聞いた時はビックリしたけど、それ以上に幽助がこんな危険なとこに行こうって事を黙ってるのも酷いわ!」


ビンタ10発しといてまだ怒ってるの、この子(ほっぺヒリヒリ)
いや、確かに最初はビックリしていたよ、このお方達は。
でも、それを知って尚『そこ連れてって』だもん。


「キャーッ、静ちゃんホラ、あのシャンデリアすっごーい!」
「・・・不安さね」















タイトルの真は『真実』の真で(一文字タイトルって結構難しい・・・)
(2011.7.31)



 
 

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