GOD EATER

□適合試験…そして…
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―待機室―





指示された部屋に向かうと、部屋には既に一人の少年が椅子に座っていた

少年は暇そうに足を揺らしている

座っている少年の正面にある椅子に、少女は静かに座る





「…ガム食べる?」

「えっ?」

唐突に少年が少女に話しかける

あまりの唐突な質問に少女は驚いた顔で少年を見る




ポケットを探り、ガムの入った袋を取り出すが中にはもうガムはなかった


「…あっ…ごめん
今食べてるのが最後だったみたい…」

少し申し訳なさそうに少年が言うと、少女はニコッと微笑みながら答えた


「そっか…じゃあ今度貰えるかな?」

「うん、良いよ」

少女の微笑みを見て、少しだけ安堵の表情を浮かべる少年

「ありがとう」

そんな少年に向かって少女は優しく微笑む


























ウィーン





突然扉が開き右目をバンダナと前髪で隠した少年が入ってくる

少年の両腕と首からは包帯がチラリと見え、一見すると怪我人のようにも見える



だが、少年のしっかりとした足取りと刺すような眼差しがそれを否定していた
















「キミも神器適合者?」

初めから部屋にいた少年が、入ってきた少年に話しかける




「…キミらも…?」

バンダナをした少年は微かに面倒くさそうな顔になる


「うん
あっそうだ!ちょっとだけど、俺が一番上の先輩ね」

「でも私たちって、同期って言うことになるんじゃない?」

「うっ…うんまぁそうだけど…」


初めから居た少年の言葉に、少女が冷静にツッコミを入れる

冷静なツッコミに少年は微かにたじろぐ

















「…僕には関係ない…」



片目を隠した少年がポツリと独り言のように呟く







「えっ?なんで?」

少女には聞こえたらしく、素直に質問する




「僕にはそんなもの必要ないから」

「…そんなもの…?」

少女は不思議そうな顔になり、首を傾げる





「仲間とか、友達なんてものは簡単に壊れる…
それなら初めから無い方が良い」


少年の冷たい声と言葉に二人は驚く

自分たちと同い年だと思われるこの少年は、その身にどれだけの悲劇を背負っているのだろうか

思わずそんなことを考えてしまうほど、少年の言動が冷たかった


だが少女は、優しいながらも強い意思を持って答える




「そんなことないよ!
確かに、友情とかは簡単に壊れるかもしれない…
でも仲間や友達がいるから、頑張ろうとおもえるんだよ!?」





「…キミは…優しい人だね…」

そう言って少年は本当に微かだが、微笑んだ気がした

















「…でも…

僕の秘密を知っても同じことが言えるかな?」

一呼吸おいて、少年は悲しげに言葉を紡ぐ

だが、少年の最後の言葉は誰に届くこともなく消え去る





















「そういえばさ…
キミたち二人の名前はなんていうの?」

それまで静かに聞いていた、初めからいた少年が二人に質問する
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