GOD EATER
□鉄の雨
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オウガテイルを地に伏せさせても、ライエルは元には戻らない
焦点の合わない目で周りを見渡し、鼻をひくつかせる
「…アラ…ガ…ミ…まだ、いる…」
そう小さく呟いたライエルはフードを被った人…ソーマの方を向く
「!」
その何も写していない、ライエルの目を見たソーマは驚いた表情になる
「う…わぁああああああああああ!!」
叫び声を上げながらライエルは神機を振りあげ、ソーマへと突っ込んで行く
そしてそのまま神機をソーマに向けて下ろす
ピタッ
ライエルはソーマに当たる直前で神機を止めた
否、雪姫がソーマとライエルの間に立ちふさがったのだ
それを視認したライエルが神機を止めたのだ
「人…間が…な…ぜ…?」
切れ切れの言葉で疑問を口にだす
パァアアアン…
乾いた音が辺り一面に響き渡る
「…篠…崎…?」
思いっきり叩かれ、赤くなった頬を触りながらライエルは呟く
「馬鹿!!!」
「えっ?」
叩かれ、いきなり怒鳴られたライエルは、何がなんだかわかっていないようだった
雪姫は目に涙を浮かべながら訴える
「馬鹿ライエル君!
今何しようとしてたのかわかってるの?!」
雪姫の言葉に、ライエルは緩慢な動作で自分の手を見、そして雪姫の後ろに立っている驚いた様子のソーマを見る
「…嘘…だ…ろ…?まさか…僕…今…」
ようやく状況を理解したライエルは、神機をゴトンという鈍い音を鳴らしながら落とす
そして固まった状態で静かに泣き始めた
「なっ…おいお前!」
いきなり泣かれ、驚いたソーマがライエルの肩をつかむ
「ごめ…ごめんなさい…僕…今…」
ライエルはゆっくりと震える手でソーマに触れる
「……」
ただ謝りながら泣き続けるライエルに、ソーマは何も言わず、されるがままになる
ライエルはそのままソーマの胸にうずくまり、泣き続ける
今度は声に出しながら、涙を流し始めた