GOD EATER

□霞む希望と錯乱
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任務が終わり、どうにか一目だけてもアリサのお見舞いが出来ないかと病室へと向かう雪姫

病室に近付くとアリサの叫声が聞こえて来た











「見ないで…

もうほっといてよ…来ないで…
私なんか…私なんか!!!!」

「鎮静剤を
クッションを交換しておけ」

どうやらツバキは病室の中に居るようだ
ツバキの言葉から察するに、アリサは暴れ、身近にあるものを壊しているようだった
そのため、アリサの手などを傷つけないようにクッションを置いてるらしい
そんなことを悲痛な面持ちで考えていると再びアリサの声が聞こえてくる






「ああ…
ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」

何故か謝り続けるアリサ

「パパ…ママ…私…
違う!…違うの!!!」

「…私だ…
わかるか?アリサ」

必死になだめようと、できるだけ優しく話しかけるツバキ
それでもアリサは正気には戻らない





「そんな!そんなつもりじゃなかったの
違うの…私じゃない…私のせいじゃない

ほっといてよ!私なんかほっといてくれれば良かったのに!!!」

アリサの悲痛な叫びに耐えられず、扉を開けようと手を伸ばした















「…ああ、キミか」

するとちょうどエレベーターの方からオオグルマがやって来た
オオグルマの言葉に思わず伸ばしていた手を戻す雪姫


「今は会わない方が良いだろうな
薬が切れるとあの調子だ
日を改めた方が良いぞ」

「でも…」

反論しようとした瞬間アリサの悲鳴が聞こえた



「嫌ぁあああああああ」

反射的に2人は病室の方を見た
雪姫の耳には謝り続ける声がずっと鳴り響いているのような気がした


「彼女だって今の様子は見られたくないだろうしな」

「…そう…ですね…」




悲しげな顔で雪姫がその場から離れた
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