ボーダーライン
□第一章
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何だこれ?え?すみません。私の目の前にあるこの異様な機械はなんなんだ?
「いくらあなたでも、フィクションの世界の人間よりは弱いでしょ?」
女の声がスピーカーから聞こえる。私の恋人に恋している大富豪の娘の声。
これまでも、暗殺家を差し向けられたり、いろいろひどい目にあった。ごくごく普通の女子大生である私には対処しようもない…はずだったのだが、私には天賦の才とやらがあったらしくて、格闘技の経験など全くないのに、類稀なる戦闘センスで全て凌いできた。
でも、これは…あれか?そんな私に痺れを切らした恋敵のお嬢様が別の手を打ってきたカンジ?
お嬢様の屋敷に呼び出され、通された部屋に入った瞬間、扉が閉まって押してもひいても開かないんだよ、ふざけてる!!
ってか、この機械は一体…。
「さよなら。」
お嬢様の声を最後に私は意識を失った。