突発的

□もしいきなり憑依しちゃったらどうする?
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いっそ、記憶が無かったらこんな思いはしなずにすんだかな。


『どうすればいい?』


お母さん、お姉ちゃん、私はもう私じゃないみたい。


坂田銀時なんだよ。


ねぇ、銀さんってすぐに泣く人だったけ?


『うわぁー、止まんない』


何をすればいいのか。


頭が混乱する。


誰か私を導いてくれ。


3日、4日が過ぎてポケットに入っていたお金がそこをつきそうだ。


私はどこに向かって歩いているのだろうか。


新八や神楽は坂田銀時を探しているよね……。


夕方、港にとてつもなく大きな船が止まった。


降りてくる乗員はいかつい男……あ、れ……あれってまた子じゃない?


次々と主要メンバーも降りてるしさ。


『やばくね、これやばいよ』


動けないでいる私は船を見つめていたら、一番最後に危険な人が降りてきた。


『た、高杉晋介っ』


グラリ、と船のせいで揺れた高杉の身体は私の方へと向かされた。


眼が合った。


『あ、わ……』


鋭い眼にニヒルな笑み。


そういえば、次会った時は殺すとか言ってなかったけ!?


ちょっと、銀さんの馬鹿!


こちらに近づいてくる。


『ちょ、ちょっと、やだ』


私は立ち上がった。


「……銀時ィ、何女々しい事言ってやがる」


汗が吹き出る。


「威勢の良いこと言ってよォ、何だ今のザマは」


高杉の刀が抜かれる。


「こねーのかよ」


『……』


高杉も、私じゃなくて銀さんを見ているんだ。


ほらね、何だよこれ。


この世界、壊してしまいたい。


壊れてしまえばいい。


私は銀さんじゃないんだ。


だったら、私だけのオリジナルの坂田銀時を作ってやる。


だって、いいでしょ?


『俺は壊れた』


「あ?」


『坂田銀時は壊れたんだ。どうしようもないこの世界に嫌気がさして……』


「……」


『高杉、俺も一緒に壊させてくれないか?』


「お前、何言ってやがる」


『だから!一緒に連れていってくれよ!そう頼んでんだよ』


「……お前がか?」


『ああ、もう疲れた』


高杉は笑う。


「着いてこい」


『まじで?』


私は勢いよく高杉に後ろから抱きついた。


「やめろ」


『ははっ』


もういいや。


ホモになってもいいでしょ。


だって、元は女だし。


『高杉、俺は昔とは違うからな』


だから、何やってもいいよね。


END
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