突発的
□兎の耳に念仏
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【現実モノクローム】
秘密共有仲間のフランキーには、私が前に世界貴族の奴隷だと打ち明けてかれこれ数年。
『ねー!スーパーフランキー』
「あんだよ、ナチコ」
『私さ、ルッチ達にこの刺青の事言おうと思ってる。何かさ、ウジウジしてて馬鹿みたい。過去に縛られて、人間以下の証明をこの背中に烙印されても、ルッチ達が大好きだからさ!隠し事なしで生きたいんだ』
「オ゛イオォォーイヴォォ、ナチコ、良いんじゃねーか。アイツ等気に食わねえが絶対分かってくれる」
『とりあえず鼻水ふきなよ』
数日後、ウォーターセブンに麦わら海賊団が来てアイスバーグさんを殺そうとした。
でも、一度話してみたらそんな暗殺とかそんな感じではなかった。
それに、アイスバーグさんを殺して何の利益がある?
「ナチコ、サボっとらんで仕事しろ。こんな事態になっても仕事は貯まっとるからのう」
ドゴン、とカクが肩に担いでいる長い木で後頭部を打たれる。
『どわぁああああ!にゃろー、手加減なしか。ふざけんなよ、馬鹿になったらカクのせいにするからな!ふん!』
「元からクルッポー」
『ルッチィ゛イイ』
「おいおい、ナチコ。おまっ、何だその格好は!ハレンチだ」
『うっせぇよ。パウリー、カリファの方が私より何倍も露出してんのに……ハァ、これだからお子様は』
「殺す」
「セクハラです」
「え、どこが!?」
『あははははははは』
この仲間だから、私の全てを話したいんだ。
信頼してるから。
包み隠さず、今なら言えるよ。
前に、カリファ言ったよね。
――仲間なら嫌な事は半分にできるのよ。苦しいなら言って。受け止めてあげるから。
カリファ、どうして。
この状況は何なのマジで。
『……何で』
涙が頬を滑り落ちる。
『ふざけんな、こんなの本当にあってたまるか!嘘だよね!?カリファ、ルッチ、カク、ブルーノ』
今日は、最悪な日だ。
悪夢に決まってる。
信じない。
信じない。
目の前に、血まみれのアイスバーグさんとパウリー、麦わら海賊がいる。
そして、さっきまで一緒にいたカク、ルッチ、カリファ、ブルーノがいる。
『冗談はやめてよ、こんなのまるで……アンタ達がアイスバーグさんを殺そうとして』
「指銃」
パウリーの声が聞こえる。
アイスバーグさんも聞こえる。
これはルッチの声だ――
『ガバッ』
「黙れ」
身体を指が貫通する。
ガクン、と床に膝が着く。
耐えろ、自分。
うなり声をあげながら、必死に生にしがみつく。
『ハァ、ハァ、ッ!』
「嵐脚」
カクの脚が私の腹を蹴る。
思いっきり吹き飛ばされ壁に激突するが、悪夢の実の能力、跳躍を生かしすれるだけとなった。
でも、すれてもこの威力は半端ないでしょ。
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