突発的

□隣の席の変人ピカソ
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クラスメートの山本千晶が死んでしまった。


高校2年生、17歳の自分にはあまりにも残酷で信じきれない。


だけど、それよりも信じられない事が隣の席のピカソの目の前で起こった――。


私は、人並みより霊感がある。そのせいか、霊や怨霊などが見える。


「千晶ー!!」


授業中、ピカソが大声をあげながら椅子から立ち上がる。


何だ何だと驚きの目で、私達はピカソを見る。


『どうし……?』


あれは何だ?羽が生えたミニサイズの千晶が見えるのだけど……。あれ、千晶は死んだはず。どうして、ピカソの机の上に千晶がいるのだろう。


「そ……そうだな。葉山はまだつらいよな」


先生は、挙動不審なピカソを見て心配そうに言葉をかける。


「羽田もどうした?」


今度は、クラスメート全員が私を見つめる。ピカソと千晶まで……。途端に、ピカソと千晶と目が合うが反らす。


『え、いや何でも』


授業が再開する。クラスメートはノートに字を走らせる。しかし、隣のピカソだけは違った。


千晶と対話をしていた。話の内容から、あの事故からピカソが助かったのは千晶が神様、仏様に願ったかららしい。そして、ピカソがこのまま生き続けられる手段は人助けをしなければならないという。しなかったら、腐敗死するとの事だ。


「誰も助けることは出来ないって〜……」


ピカソは、うなだれながら机に倒れ込む。


『……はぁ』


机に両手で頬杖をつく。


何か大変そう。私、霊は見えても羽が生えた妖精な千晶?は見た事がない。……ポケットサイズの千晶、か。


「よ、加奈子」


私の机に立つ千晶。


「見えてるんでしょ」


まぶたを閉じる。


「千晶っ、羽田さんの所で何してんだよ」


ピカソの声が隣で聞こえる。


「ピカソ!加奈子は私の事見えてるよ!!」


「えええええ!!」


ピカソを無視する。クラスメートはまたピカソを奇怪な目で見る。


私は、関係ない。関係ない。関係ない。関係ないんです!!


厄介な事は勘弁です。今まで事あるごとに、幽霊関係で良いことが無かったのだから。


霊にストーカーされたり、霊にストーカーされたり、霊にストーカーされたり……あああぁ、怖いよぉ。


「加奈子、加奈子、加奈子ってば!!」


『あ、ごめ。気付か』


反射で目を開けてしまった。


「やっぱりねー。ふふ」


「羽田さんも!?」


『わあああぁああ!!』


気絶――。



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