小説・蓋を開けたら

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 国軍の目を避けながら移動しているため、舗装された道を悠長に歩くことはできず、山道獣道を歩く。
 もう何日も歩き通しで体力、気力ともにすり減っている。それでも、国軍に見つかる前に目的地へと辿り着かねばならない。
 旅用のマントを羽織り腰に片刃の剣を携えた少年は、まだ幼さの残る顔を上げ、この国のほぼ中心に聳え立つ自然の要塞…もとい“シロガネ山”をしっかりと見据えた。
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