小説・蓋を開けたら

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「おいグリーン!」


 なんでこんなところにグリーンが!?と、疑問ばかりが浮かぶけど、とにかくそれどころじゃない!

 グリーンは苦しそうに浅く息を繰り返している。どこか怪我をしているのかと思ったが、怪我は何処にも無い様だった。ただ、熱が凄く高い。


「酷いな…医者に見せないと…」


 ってことは、一度下山して、それから……あ、でも空間移動で家に行った方が早いか?確か家に熱さましの薬草があったはずだし…。でもこういうのって素人が診断するのはまずいよな…。
 焦りだけが先走り、頭が混乱して全く考えがまとまらない。


「(早くどうにかしないといけないのに…!)」

「あ〜?ガキは1人っつー話しだったんだけどなぁ?」

「!?」


 思った以上に混乱していたみたいだ。こんなに近付かれるまで気付かなかったなんて…。

 己の失態に思わず舌打ちを撃ちたくなるがどうにか耐えて、代わりに相手をキツク睨みつけた。
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