小説・蓋を開けたら
□4
1ページ/3ページ
「おいグリーン!」
なんでこんなところにグリーンが!?と、疑問ばかりが浮かぶけど、とにかくそれどころじゃない!
グリーンは苦しそうに浅く息を繰り返している。どこか怪我をしているのかと思ったが、怪我は何処にも無い様だった。ただ、熱が凄く高い。
「酷いな…医者に見せないと…」
ってことは、一度下山して、それから……あ、でも空間移動で家に行った方が早いか?確か家に熱さましの薬草があったはずだし…。でもこういうのって素人が診断するのはまずいよな…。
焦りだけが先走り、頭が混乱して全く考えがまとまらない。
「(早くどうにかしないといけないのに…!)」
「あ〜?ガキは1人っつー話しだったんだけどなぁ?」
「!?」
思った以上に混乱していたみたいだ。こんなに近付かれるまで気付かなかったなんて…。
己の失態に思わず舌打ちを撃ちたくなるがどうにか耐えて、代わりに相手をキツク睨みつけた。