小説・蓋を開けたら

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 あれから数日後。熱も下がりある程度体力も回復したことから、そこまでの心配はないだろうとレッドは何でも屋の仕事に行った。
 正直、もう問題無いと思うが、レッド曰く


「今まで住んでたところと気候が全然違うんだから、用心に越したことはないだろ!」


 との事だ。

 何でも屋と言っても、仕事内容を聞く限り畑仕事や掃除と言った手伝い系統や、探し物、届け物等といったお使い系が多い様だった。まぁ、たまに田舎に引っ越すときの護衛といった仕事も入ると言っていたが。そういえば、冬は雪かきと屋根の雪下ろしが主な仕事だと言っていた気がする。そんな事を毎年やっているらしい。

 かく言うグリーンも、体調が万全になったら参加することになっている。世話になる身なのだからこれくらいは当然だ。

 そして今は家…と言うより“屋敷”と表現したほうが断然しっくりくるような規模の、レッド宅を見て回っている最中だ。
 ちなみに、留守中に見て回る際入ってはいけないところ等を尋ねたところ


「いや、得に無いけど。高価なものがあるわけじゃないし。それにこれから一緒に住むんだぜ?そんなに気にしなくていいって!」


 と、至極軽々と、家主に言われてしまった。
 いくら幼馴染兼ライバルで親友だとしても、他人には変わりないのだから普通は気にするところだと思うのだが。やはり、というかレッドの感覚は少々ずれているようだ。
 そんな少々ずれた感覚を持つレッドの言葉通りに、あまり遠慮することなく屋敷内を見て回っているのでとやかく言えるわけではないが。
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