小説・蓋を開けたら

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 未だ何かしゃべっているレッドの言葉に口をはさみ、次の質問に移行した。


「次だ。なぜ国家の情報を集めている?」


 質問をすれば、今までしゃべっていた口がぴたりと止まり急に真顔になったかと思うと、一言ぼそりと、だがはっきりした声で呟いた。


「言えない」


 その言葉にグリーンの片眉がピクリとあがる。それを見たレッドが慌てたように言葉を重ねた。


「悪い!ホントに言えないんだ!」


 彼は情けない顔でグリーンを見やり、再び「ごめん」と呟いた。
 そんな様子に溜息を吐きだし、これ以上の追及は止めにした。これ以上問い詰めても何も言わないと分かっているからだ。
 その代り、グリーンは違う事を口にした。


「その情報収集、オレもやるからな」


 言い放たれた瞬間ぽかんとした顔になった。言葉の意味を吟味しているうちに、もう一度同じ言葉が放たれる。今度こそ正確に言葉を理解したレッドが、慌ててそれを拒否した。


「ダメだって!何考えてんだよ!」

「オレ自身、国軍の動きは気になっているんだ。お前に駄目だと言われる筋合いはない」


 グリーンとしては自身が連れていかれていた可能性があるのだから、よく調べておきたいと思うのは普通だろう。それでもレッドが渋るのは、それがどれだけ危ないかを良く理解しているからだ。


「とにかく、お前がどう言おうとオレは調べさせてもらう」


 レッドが渋っていると、最後の手、とも言える台詞を言い、話しは終わりだとでも言うようにベッドへと潜った。
 このままでは1人でも調べに行くだろうグリーンを思い、仕方なしに一緒に調べるのを了承したのだった。



第1章END


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