番外編・蓋を開けたら

□1章 小話・番外編
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お粥


 目の前には、ほかほかと湯気の立つお粥。嗅覚もそうだが、視覚からでも十分に食欲がそそられるそれ。だが、作り手を考えると、その見た目通りの味なのかとつい疑ってしまう。
 思わず、自分の横で「どうだ」とでも言うように胸を逸らしている作り手と見比べた。


「本当にお前が?」

「だから!オレのほかに誰がいるんだよ!!」


 まだ信じてないのか、と不機嫌になる作り手…もといレッド。だが、直ぐに信じろと言う方が無理だ。何度も言うが、お前と料理を結びつけるほうが難しい。


「食べないのか?」


 そう尋ねてくる顔は不機嫌で、言外の「早く食べろ」という言葉がしっかりと聞こえてくる。
 無言でスプーンを手に取った。


「………!」


 確かに美味い。そう思うが、隣で「美味いだろ」と聞いてくるレッドに素直に認めるのが癪な気がして「まあまあだろ」と返した。


「なんだと!?今日のは結構自信作だったんだぞ!」

「(うるさい)」


 煩くさせたのは自分だが、耳元で騒ぐのは勘弁してほしい。
 とりあえず、レッドは料理が上手いらしい。

・・・・・・・・・

「あ、これから料理は当番制な!」
「?!」
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